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トピックス 連載第16回 [ 高気密・高断熱住宅 ]・ 空気環境を向上させて、健康的な暮らしを

高気密で高断熱の家は今では住宅性能の前提条件となっています。気密性・断熱性を満足させた上で、機械換気を用いることで、より効率的な室内空気環境を求める傾向も増えてきました。気密・断熱・換気は、それぞれどれが欠けても十分な性能を発揮する事はできません。高気密住宅とは、建具や天井と壁の接合部分の隙間を極力少なくし、気密性を高め、省エネルギー効果と快適性を両立させることを目的とした住宅。高断熱住宅とは、家全体を隙間無く仕上げ、きわめて高い断熱性を備え、装置に頼らずにできるだけ適度な室温を保つようにした住宅のこと。断熱性を向上させた高断熱住宅とセットで「高気密・高断熱住宅」といわれています。 

■ 空気環境を快適に保つために

壁と床、サッシと窓枠の間など、家全体の隙間をなくし、高性能な断熱材やペアガラスなどで家を包むことで、室内への暑さ寒さの侵入を遮断。それにより年間を通じて過ごしやすい室内空気環境の確保する住宅が標準となりつつあります。

これにより、空調がロスなく行えるため経済的メリットも実現できます。高い気密性で冬でも暖かく、夏は冷気を逃がさず外の熱気を寄せつけないという利点があります。また、高気密・高断熱住宅は、外部の騒音が侵入しにくいので、静かな室内環境を実現。

室内を左官仕上げとし、調湿・消臭などの効果を狙う家も注目を集めています。また、開口部を効率よく設置する事により、窓を開放して、自然換気を行い風通しのよい家とする事もできます。



 ★ 断熱工事の施工の様子


■ 気密性を上げる工夫

隙間を減らすことで、熱損失を少なくし、冷暖房効率を向上させるのがスタンダードとなってきています。これにより住宅の保温化が図れ、冷暖房用エネルギーの消費の低減し、表面結露を解消するなど、生活環境の快適性を高めることができます。

ただし隙間がなくなるため、機械換気などによる計画的な換気システムの導入が不可欠で、自然換気のみに頼ると換気量が不足し、室内空気が汚染される恐れがあります。したがって換気装置の必要が出てきます。

家電や自動車と同様に、住宅にも省エネルギーに関する基準がある。それが気密と断熱の性能。高気密住宅は、1985年建に建設省(現国土交通省)が省エネに配慮した気密性の高い住宅、いわゆる高気密・高断熱住宅の建設を奨励したのを契機に広がり始めたという経緯をもちます。住宅の高気密・高断熱化が進んだことにより、2003年に建築基準法が改正されました。住宅の場合、例外を除き、1時間に0.5回空気を入れ替えるための設備機器を設置しなければなりません。


 ★ 大切な断熱下地の仕上げ

■ 断熱性を高めて省エネルギー住宅に

気密性能と同時に考えなければならないのが断熱性能。断熱性を高め、冷房や暖房の効率を追求して省エネルギー化をすすめるために、十分な断熱施工を施した住宅も増えています。そのためには、隙間を減らして熱損失をできるだけ少なくしなければなりません。

よって、高気密化は必要不可欠で、開口部に気密性の高いペアガラスなどのサッシを使用したり、パネルとパネルの張り合わせ部分のすき間をなくす工夫をして、気密性と断熱性の高い「魔法瓶のような」住宅にする傾向があります。

断熱性を高めることで、エネルギーロスが少なく、環境への負荷も少ない住宅になります。室内に湿気を進入させない、家の中の温度差が少ない、遮音性能が高いなどのメリットがあります。また、断熱性能を高めることにより、家全体を空気調整するため、個別の空調が不要になり、広いリビングや吹き抜け、高い天井など、広々としたスペースを確保する事ができるようになります。


                        ★ 断熱サッシの断面の例

■ 湿度を調節する方法

気密・断熱性を高めた上で、内部を左官仕上げにするのも調湿性能を上げるのに効果的。元来、日本の住宅や建物の壁は、外壁も内壁も、土や漆喰の左官で塗られていました。

特に漆喰は耐火性・耐久性も高く、古くから城や土蔵にも使われてきた材料。このように合理的ながら、漆喰を代表とする湿式工法は、調合や現場での水練りなど手間と時間がかかるために敬遠される傾向にあったが、最近の健康志向とともに復活しています。

漆喰は、外壁では、あくまでも強く、内壁と天井は吸湿・放湿性に優れた特性で、家の中の空気を浄化してくれる性能をもっています。 そして漆喰は、きめ細かい独特の質感も特徴。ビニールクロスでは得られない健康にあふれた住まいを、自然の生きた素材によって実現する事ができるのです。


★ 左官による塗り壁工事の様子

喜入時生(きいれ・ときお) 編集者/ライター
1961年福岡県生まれ。美術大学卒業後、建築・インテリアの設計業務を経て、建築関連の出版社で編集者となる。その後、フリーランスの編集者・ライターとして独立し、おもに建築・インテリアを中心に、各種デザイン・アート関連の取材・執筆・編集活動を精力的に行なっている。

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