この住宅は定期借地権つきの変則的な形の土地に建っている。敷地の持つ特殊な性質に住まい手の理想や思いをどのように解釈して位置づけるかが、重要なポイントとなる。常に住宅において大切にしている事だが、機能を結ぶつなぎの空間の追求がこの住宅の最大のテーマとなった。普通だと、無駄と思われがちな空間にこそ、住宅における重要な役割があると考えた。基本的な塊とそれに45°で対応している空間との出会いから生じる隙間や空間の処理が、この住宅の性格を表現している。

敷地は都心への通勤圏にありながら、最近、区画整理が完成したばかりの土地であり、周辺の眺望とともに外部に開かれた空間を計画に取り込む事のできる希な立地である。そのため、開かれた空間と閉じた空間のメリハリのきいた調和がテーマとなった。風致地区という事もあり外壁などのベーシックな色使いは比較的落ち着いた方向としながらも、形態そのものに表情豊かな表現を追求し、開かれた敷地の中にあって自然な存在感のある建築をめざした。

シンプルな白い箱として表現された鉄骨造3階建の賃貸集合住宅である。ただ無機質なだけの表現とならないように、白い箱が一部切り取られ、中庭につながる空間の中にモニュメンタルならせん階段 を配し、建築に奥行き感を表現した。大きな中庭を中心とした構成で、すべての住宅が中庭からアプローチするように計画されている。住戸はすべてメゾネットで構成されており、住まう事の楽しさを追求した。

小田急相模原駅からほど近い場所に建つ賃貸の集合住宅である。単体の建築の枠を超えた、新たな地域環境づくりをめざした。引き込みのアプローチそのものを建築全体の中心として広場的空間と位置付け、単なる通行だけの用途を発展させて、人の集まりの場とした。雑然とした街並みの中で、きちんとした存在感を持つために、全体をモノトーンでシンプルにまとめる事でその意味を表現した。狭い道路からできるだけ引きをとり、場を設定する事で人間と建物のほど良い関係が保てればと考えた。

このプロジェクトは、代官山に建つアパレル会社の本社ビルである。本社ビルをつくることは企業としての姿勢を表明することとなる。この建物に含まれる機能はオフィス部門、新商品の展示、発表のスペース、デリバリーのための倉庫の3つに集約される。このような企業の性格を最大限に表現すべく、解放させる部分と閉じた部分をほど良くバランスさせ、創造的な環境づくりをめざした。そのため「囲われた空間とその隙間の表現」をテーマとして、コンクリートの厚く硬い囲みの中の柔らかく光るガラスの箱、そしてその挟まれた第三の空間として表現した。