玄関を開けると目に飛び込んでくる天窓のある階段室。ここは家の中にある外部として位置づけられ、太陽の光や月明かり、鳥の渡りなどを室内に持ち込む。そして、音 楽のように日々変奏されていく中で、人は自然にそれらの動きを知り、自然の少し近くに居る自分自身を発見する・・・。親世帯が庭スペースを使う二世帯住宅で、子世 帯側は建築の中に坪庭などの外部空間を擁し、プライバシーを保ちながら外に<開いて>いられるように構想されている。

外国船籍船員の為に設けられた施設。現在は一般の日本人客にも開放されているが、外国人の常連客が多く異国の空気がある。四半世紀前に建てられた建築の防水改修な どと共に行われた内装の改修で、雰囲気を暖かく、かつより美しくすることが求められた。ニッチ部分にはR状に樹脂壁を塗り回し、浮かされたアルミの花入れにドライ フラワーを生けた。木の質感や土壁を塗る職人の手の痕跡などが柔らかい印象で浮かび上がる。

ピロティの部分に増築されたピアニストのためのアトリエ。車が一台入るスペースを残して扇状に創られた部屋は坪庭に面し、音響的な響きや防音性能などを考慮して創られた。特注色のアクリル樹脂プラスターはコテ塗りで仕上げられ、吸音効果もある。床材はチーク材。造り付けの家具は楽譜の寸法から割り出して製作されている。同材料で化粧台も造り付けられている。